WordPressのサーバー・データをバックアップする為のプラグイン、「BackWPup」の設定方法について詳しく解説します。
現在、ブログやサイト運営をしていく上で、データのバックアップは必須と言えます。
万が一に備えてリスク回避する為にも、是非この「BackWPup」を使いこなして下さい。
記事概要はWordPressプラグイン「BackWPup」のインストールを行ってから、使用言語を「日本語化」した上で順番に解説していきます。
この記事の目次
- 1 「BackWPUp」でWordPressのバックアップを行う前の基礎知識(重要)
- 2 WordPressで作成した「記事」をWEBブラウザ上で表示する仕組み
- 3 WordPressの投稿記事を表示する「動的ページ」の仕組み!(解説図)
- 4 「BackWPUp」のインストール&プラグインを日本語化する方法
- 5 日本語化した「BackWPUp」で自動バックアップさせる初期設定方法
- 6 自動バックアップの設定を「手動」で確認する方法
- 7 「BackWPup」でサーバーにバックアップしたデータのダウンロード方法
- 8 バックアップデータを確実に守る為の「セキュリティー強化」の考え方
- 9 「データベース」の自動バックアップ設定
- 10 「BackWPUp」でバックアップを取るWordPressプラグインの設定方法まとめ
「BackWPUp」でWordPressのバックアップを行う前の基礎知識(重要)
●最初に「BackWPup」でバックアップを行う際の重要な基礎知識についてお話します。
通常、「バックアップ」と呼ばれる作業を行う場合、ご自分のパソコンの中のデータをコピーして保存を行うのが一般的だと思います。
しかし、今回のWordPressをバックアップする作業は、「ローカルデータを保存するのでは無い」という事を、まずは理解して頂ければと思います。
●今回のバックアップを行う内容は大きく分けて次の2種類になりますので、自動バックアップの「タイムスケジュール」も、2種類の設定を構築していきます。
1 サーバー上のデータ:テーマ(テンプレート)、プラグイン、画像ファイルのデータ等。
(※それぞれのファイルサイズが、比較的「大きい」ものが多いのが特徴です。)
2 データベース上のデータ:記事内容、コメント、カテゴリー、タグ、オプション設定、画像のパス、リンクパス、投稿日時、ユーザID、パスワード、メールアドレス等。
(※それぞれのファイルサイズが比較的「小さい」ものが多いですが、特別な固有の重要な情報を多く含んでいるのが特徴です。)
WordPressで作成した「記事」をWEBブラウザ上で表示する仕組み
●WordPressで作成した記事をインターネットを利用してWEBブラウザ上で表示する場合、
さきほど述べた「サーバー上のデータ」と「データベース上のデータ」の、両方のデータを読み込こんで表示する仕組みになっています。
(※このような方式のページの事を「動的ページ」と呼びます。)
●【動的ページ】とは、表示するタイミングで作成表示されるページの事です。
つまり、記事を観覧するユーザーがリンクをクリックしてアクセスした時に初めて、上記2種類のデータが読み込まれて初めて、完全な「記事」の状態で表示されます。
※ちなみに【静的ページ】の場合は、作成されたページが直接そのまま表示されます。
WordPressの投稿記事を表示する「動的ページ」の仕組み!(解説図)
という事で、「BackWPup」でWordPressのバックアップを行う場合の作業は必ず、「サーバー上のデータ」と「データベース上のデータ」の、2種類行う必要があります。
「BackWPUp」のインストール&プラグインを日本語化する方法
1 まずは、ワードプレスの公式サイトより「BackWPup」をダウンロードし、普段お使いのサーバーに直接インストールします。
※WordPressプラグインのインストール方法は、以下の記事を参考にして下さい。
>>初心者向けWordPressの基礎編~WordPressプラグインのインストール方法
2 インストールした「BackWPup」のメニューと設定画面の日本語化を行います。
※「BackWPup」のバージョン3.2.1以降より、標準のプラグイン・インストールで日本語化されなくなりました。
3 下記アドレス、WordPress.ORG「Translating WordPress」にアクセスします。
>>https://translate.wordpress.org/projects/wp-plugins/backwpup
4 下記写真の赤線で囲った部分、横行「Japanese」、縦列「Stable」の、セルを選択します。
すると、次の画面に切り替わりますで、
5 画面下部の「Export」と書いてある部分の右の文字が、「all current」になっている事を確認したら、右のプルダウンメニューから「Machine Object Message (.mo)」を選択します。
6 そして最後に、「Export」を押して日本語ファイルをダウンロードします。
7 ダウロードしたファイル名を変更します。
「wp-plugins-backwpup-stable-ja.mo」から「backwpup-ja.mo」に書き換えます。
※注意:ファイル名最後の「*.mo」は拡張子ですので文字が重複しないようにして下さい。
8 書き換えた「backwpup-ja.mo」ファイルを、FTPソフト、又は、ご利用サーバーのファイルマネージャー等で、WordPressがインストールされている、ディレクトリ(フォルダ)の中に、アップロードを行います。
※尚、当サイトでは「Xサーバー」を利用しています。
●例:サイトのドメイン名>「public_html」>「wp-content」>「languages」>「plugins/」
のディレクトリ(フォルダ)の中に、ファイルのアップロードして下さい。
9 最後に、ダッシュボード管理メニューの「BackWPup」設定を確認して、以下の写真のように「日本語」になっていれば作業完了です。
日本語化した「BackWPUp」で自動バックアップさせる初期設定方法
●まずは1つ目の自動バックアップ「サーバー上のデータ」の初期設定から行っていきます。
1 WordPressの管理サイド・メニューより「BackWPup」>「新規ジョブを追加」を選択します。
以下の設定画面が開きますので、上部タブの各項目を順番に設定していきます。
2 一般タブの設定
●「ジョブの名前」を入力して下さい。
※今回は「サーバー上のデータ」を毎週取る設定をする為、「backwpup-file-weekly」と入力しています。(※ご自分で分かりやすい名前を入力して下さい。)
●ジョブタスクの 「ファイルのバックアップ」のみに、チェックを入れます。
●バックアップファイルの作成「アーカイブ名」は、デフォルトのままでOKです。
●「アーカイブ形式」は、どの圧縮方式で保存するのかを選択します。
※Windowsをご利用の場合は「Zip」でOKです。
※Macをご利用の場合は、「Tar GZip」がおすすめです。
⇒ ご利用中のOS環境に合わせて圧縮方式を選択して下さい。
●バックアップファイルの保存方法 ⇒「フォルダにパックアップ」にチェックを入れます。
●ログの送信先メールアドレス ⇒ デフォルトのままでOKです。
●メールのタイトル ⇒ デフォルトのままでOKです。
●エラー ⇒ ボックスにチェックを入れます。
※ジョブの実行中にエラーが発生した場合にのみ、ログをメールで送信します。
●「変更を保存」 ⇒ 設定した内容を保存します。(各タブすべて共通です。)
3 自動バックアップの「スケジュール」タブの設定
●ジョブの開始方法 ⇒ 「Wordpressのcron」を選択します。
(※参考:用語【cron】(クーロン)とは ⇒ UNIX系OSで使用される、指定したコマンドを定期的に自動実行する為のスケジューラ・プログラムのこと。)
※選択すると自動バックアップの詳細スケジュールの設定画面が開きます。
●スケジューラタイプ ⇒ 「基本」を選択 (デフォルトのままでOKです)
●スケジュール ⇒ バックアップする予定を、ご利用の環境に合わせて選択します。
※毎週日曜日の午前3時に自動バックアップする場合は、写真と同じように「毎週」、「日曜日」、「3」、「0」と選択してください。
※今回の「データベース」をバックアップするスケジュール設定の場合は、テーマ(テンプレート)、プラグイン、画像ファイルのデータ等、比較的に容量が大きいファイルが多い為、今回の説明では「毎週」「過去15回分」を保存するように設定しています。
⇒ 後ほど、作業手順5の設定で「フォルダ内に保持するファイルの数」を指定して下さい。
【重要】毎週×15回分で、約3月半分の過去データを保持する事になります。
(※その他の設定をする場合は、ご利用頻度に合わせて行って下さい。)
4 「ファイル」タブの設定
※以下の画像のように、チェック項目すべてデフォルトのままでOKです。
●「WordPressをインストールしたフォルダをバックアップ」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
●「コンテンツフォルダのバックアップ」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
●「プラグインのバックアップ」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
※「backwpup」にチェックが入っているのは、バックアップ中にプログラム本体であるプラグインの「backwpup」を除外する為です。
●「テーマのバックアップ」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
●「アップロードフォルダのバックアップ」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
※「backwpup-******-logs」にチェックが入っているのは、データさえバックアップ出来れば、特にログは必要無い為に除外にしています。
●バックアップするその他のフォルダ ⇒ その他の指定したいフォルダが特に無い場合は、入力する必要はありません。
5 「宛先:フォルダ」ダブのバックアップ設定
●バックアップを格納するフォルダ ⇒ 使用サーバーのバックアップ先フォルダ名のパスを指定して入力します。
(例:ドメイン名/public_html/wp-content/uploads/backup-weekly/ )
●ファイルを削除 ⇒ フォルダ内に保持しておきたいファイルの数を入力します。
※設定方法の手順3で「毎週」を選択し、ファイルを削除に「15」を入力した場合は、15週分(約3か月半)の過去データがサーバーに保持されます。
●最後に「変更を保存」を押して、「サーバー上のデータ」の自動バックアップ設定は、
以上で完了です。
自動バックアップの設定を「手動」で確認する方法
※今回は自動バックアップの設定が正しく合っているか、手動で確認を行います。
1 サイド管理メニュから、「BackWPup」>「ジョブ」を選択します。
2 設定したファイル名の横にカーソルをマウスオーバーすると、
以下の文字が現れますので「今すぐ実行」を押して実際に確認を行います。
3 以下のように100%「ジョブ完了」と表示されたら、バックアップ完了です。
「BackWPup」でサーバーにバックアップしたデータのダウンロード方法
次に、バックアップしたデータのダウンロード手順について解説していきます。
1 管理サイドメニューより「BackWpup」>「バックアップ」を選択します。
2 ダウンロードするフォルダ名を確認したら「ダウンロード」を押して、デスクトップ等に保存先を指定して圧縮ファイル(*.Zipなど)を保存します。
※バックアップの設定が複数ある場合は、「先を変更」を押してフォルダ名を選びます。
3 圧縮ファイルを解凍して、以下の様な状態でフォルダが3つ表示されていればOKです。
⇒ フォルダ「wp-admin」「wp-content」「wp-includes」+その他ファイル複数
※以上の一連作業で、1つ目の「サーバー上のデータ」バックアップ設定は完了です。
バックアップデータを確実に守る為の「セキュリティー強化」の考え方
●先ほど「手動」でバックアップデータをダウンロードした手順のように、ご自分のパソコン上にデータを保存する作業は、セキュリティー強化の面でもとても有効です。
その理由は、バックアップをしたサーバー自体のデータが、万が一何らか障害等の原因で消失するリスクを確実に回避する為です。
つまり、サーバーへのバックアップだけでは、バックアップ自体を外部に依存している状態なので、「自分のデータは、自分で守る」という意味でも、とても有効な方法だと思います。
●自分で定期的に「手動でダウンロードしてローカルに保存する」という手間は増えますが、バックアップ本来の意味をより強化する為にも、ぜひ検討して下さい。
「データベース」の自動バックアップ設定
2つ目の自動バックアップ、「データベース」の初期設定を行っていきます。
1 WordPressの管理サイド・メニューより「BackWPup」>「新規ジョブを追加」を選択します。
すると以下の設定画面が開きますので、上部タブの各項目を順番に設定していきます。
2 一般タブの設定
●「ジョブの名前」を入力して下さい。
※今回は「データベース」を「毎日」取る設定をする為、「backwpup-database-daily」と入力しています。(※ご自分で分かりやすい名前を入力して下さい。)
●ジョブタスクの 「ファイルのバックアップ」のみに、チェックを入れます。
●バックアップファイルの作成「アーカイブ名」は、デフォルトのままでOKです。
●「アーカイブ形式」は、どの圧縮方式で保存するのかを選択します。
※Windowsをご利用の場合は「Zip」でOKです。
※Macをご利用の場合は、「Tar GZip」がおすすめです。
⇒ ご利用中のOS環境に合わせて圧縮方式を選択して下さい。
●バックアップファイルの保存方法 ⇒「フォルダにパックアップ」にチェックを入れます。
●ログの送信先メールアドレス ⇒ デフォルトのままでOKです。
●メールのタイトル ⇒ デフォルトのままでOKです。
●エラー ⇒ ボックスにチェックを入れます。
※ジョブの実行中にエラーが発生した場合にのみログをメールで送信します。
●「変更を保存」 ⇒ 設定した内容を保存します。(各タブすべて共通です。)
3 自動バックアップの「スケジュール」タブの設定
●ジョブの開始方法 ⇒ 「WordPressのcron」を選択します。
※選択すると自動バックアップの詳細スケジュールの設定画面が開きます。
●スケジューラタイプ ⇒ 「基本」を選択 (デフォルトのままでOKです)
●スケジュール ⇒ バックアップする予定を、ご利用の環境に合わせて選択します。
※毎日、午前3時に自動バックアップする場合は、写真と同じように「毎日」、「3」、「0」と選択してください。
※尚、今回の「データベース」をバックアップするスケジュール設定の場合は、記事内容、コメント、カテゴリー、タグ、オプション設定、画像のパス等、比較的に容量が小さいファイルが多い為、今回の説明では「毎日」「過去30回分」を保存するように設定しています。
⇒ 後ほど、作業手順6の設定で「フォルダ内に保持するファイルの数」を指定して下さい。
【重要】毎日×30日分で、1月分の過去データを保持する事になります。
※「データベース」のファイル内容は、大切な財産とも呼べる「記事内容」等の、固有の重要なデータが多い為、毎日バックアップを行う設定をおすすめ致します。
(※その他の設定をする場合は、ご利用頻度に合わせて行って下さい。)
4 「DBバックアップ」タブの設定
※以下の画像のように、チェック項目すべてデフォルトのままでOKです。
●「バックアップするテーブル」 ⇒ すべての項目にチェックを入れます。
●「バックアップファイル名」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
●「バックアップファイルの圧縮」 ⇒ デフォルトのままでOKです。
※「データベース」ファイルは比較的小さい容量のファイルが多い為、設定手順の画像解説では「バックアップファイルの圧縮」を、「なし」で選択しています。
5 「プラグイン」タブの設定
●プラグインのリストファイル名 ⇒ デフォルトのままでOKです。
(注:空欄ではありません。デフォルト表示されている文字を、そのまま設定して下さい。)
●ファイルの圧縮 ⇒ デフォルトのままでOKです。
6 「宛先:フォルダ」タブの設定
●バックアップを格納するフォルダ ⇒ サーバーのバックアップ先のフォルダ名のパスを入力します。
(例:ドメイン名/public_html/wp-content/uploads/database-backup/ )
●ファイルを削除 ⇒ フォルダ内に保持しておきたいファイルの数を入力します。
※今回の設定では「毎日」を選択し、ファイルを削除に「30」を入力しています。
⇒ 30日分(1か月)の過去データがサーバーに保持されます。
●最後に「変更を保存」を押して、「データベース」の自動バックアップ設定は完了です。
「BackWPUp」でバックアップを取るWordPressプラグインの設定方法まとめ
●「BackWPup」でバックアップを取るWordPressプラグインの設定方法いかがでしたでしょうか?
今回の解説内容は、設定メニューを「日本語化」してから説明させて頂きましたので、WordPressのプラグインとしては、かなり理解しやすかったのではないかと思います。
ブログやサイトを安心して運営をしていくには、データのバックアップ作業は「絶対」と言って良いほど必要な作業と言えるでしょう。
ご講読ありがとうございました。